過去は今の自分の想像だ 3
俳優さんはそのお姉さんを見て「素敵だ」と思って、いつの間にか自分用の恋物語を創作してしまったのです。
みんなとはぐれ、日が暮れた林のなかで困っている。
雨が降ってくる。
美しいお姉さんが忽然とあらわれる。
そうありたいという思いが、美しい恋物語をつくり、俳優さんの記憶のなかでは、それが紛れもない事実として記憶された。
このように頭のなかで強く思ったことは、実際に起きた出来事と区別はつかないのです。
たとえ事実に反していても、ずっと思い続けていたら、.それが唯一の過去の事実に変化してしまう。
私たちが過去と呼んでいるなかには、事実と反するものがたくさんあるに違いありません。
どれが事実でどれが事実に反するのかも定かではありません。
真実であるという基準はどこにもないのです。
・・・ということは、私たちが過去と思っているものは、すべて私たち自身が「過去と思いたいこと」を過去と思っているのではないか。
その思いをもつのは現在の自分ですから、現在の自分の考え方や思いを変えれば、過去は変わってくることに気がついたのです。
かくのごとく過去とはあいまいな代物なのです。